ひび割れしにくい
耐久性の高いコンクリートを

当社はひび割れしにくい耐久性の高いコンクリート打設に力を入れてきました。
当社の高品質なコンクリートは、創業以来の自慢です。

水セメント比へのこだわり(配合計画)

当社は、低スランプかつ水セメント比の小さい流動性の低いコンクリートを打ち込む技術を社内共有しています。単位水量が少なく骨材の多い配合を採用すれば、硬化の過程で起こりやすいひび割れを低減することができます。

※フレッシュコンクリートは硬化(水和反応)に必要な水以外に多くの余剰水を含む為、水セメント比が大きい(配合で水量が多く、流し込みの施工性ばかりに偏った)コンクリートは、見直すことを推奨しています。

生コンクリートとは?
低スランプとは?

コンクリート(concrete)とは、セメント、水、ならびに細・粗骨材を練り混ぜたものをいいます。コンクリートが固まる前と固まった後の呼び名を区別して呼ぶと、固まる前のコンクリートを生コンクリート(生コン・fresh concrete)、固まった後のコンクリートを硬化コンクリート(hardened concrete)といいます。
スランプ試験とは高さ30cmほどの型に生コンクリートを詰め、上部を水平にならしたあと、型を静かに引き上げ、平板上に残ったコンクリートの中央部の下がりの量を測定します。この量をスランプ値といいます。
通常、生コン中の水分が多ければ多いほど、スランプの値は大きくなります。建築の分野で一般的に使用されているものは、スランプ18cmもしくは21cmのコンクリートです。低スランプとは、これらよりも小さいスランプ、つまり水分が少なく、硬いコンクリートということになります。

当社が低スランプの
コンクリート打設に取り組む理由

低スランプのコンクリートは、コンクリートの流動性が悪い為、圧送や打設が難しく手間が掛かることから敬遠されているのが現状です。ですが、水分が少なく硬い低スランプのコンクリートは、コンクリートの硬化の過程で起こりやすい初期のひび割れを防止することができるので、当社では低スランプのコンクリートの打設を技術的に可能とする取り組みを行っています。
当社では、直径50mmのバイブレーターを使用することで、硬い生コンを流動化しています。50mmのバイブレーターは強い振動力がある為、振動に耐えられる様にスラブ鉄筋の交差部分は全て結束する事を推奨するなどの「ひと手間」を掛ける事に、積極的に取り組んでおります。また、社内で講習会を実施し、常に社内全体のレベルアップを目指しています。
惜しみないひと手間や積み重ねた知識、経験によって打ち上がったコンクリートは、密実にして重厚です。一般的なコンクリートは型枠を取り外したあと、時間経過とともに白くなり粉を吹いたようになりますが、高い技術のもと打設された低スランプのコンクリートは、黒光りした鏡のような表面を長期間持続します。

型枠内環境へのこだわり(打設前検討)

当社は、コンクリートがより健全に打込める型枠内環境に着目しています。コンクリートの締固めを十分に行うには、インナーバイブレーターを容易に活用できるかがポイントとなる為、かぶりや鉄筋の空きなど、型枠内の環境が重要となります。50Φ口径のバイブレーターが挿入できる様な配筋図検討も行っています。壁や柱は、再振動の徹底の為、インナーバイブレーターを最下部まで確実に挿入できる環境を事前チェックしています。スラブでは、配筋のねじれや乱れを防止する全結束の取組みを実施しています。コンクリートを打ち込み締め固めるには、こうした配慮が不可欠となります。

当社のバイブレーター効力は1.5倍

一般的に、バイブレーターは振動部分の直径が40mmのものが使用されています。強度を出すために使用する硬いコンクリートは、流動性を確実に高めながら打ち込み作業をしなければいけません。
そこで、当社では直径40mmのものと比べて効力が1.5倍の直径50mmのバイブレーターを使用します。さらに、型枠へ生コンを打ち込む前にバイブレーターを可動させておくといったところまで気を遣い、50mmのバイブレーターの効果的な仕様計画を行い、打ち込み作業を進めていきます。
威力があるだけでなく広域を振動させることが出来るので、作業も効率的になります。しかし硬いコンクリートはバイブレーターを掛けすぎてしまうと、コンクリート内部にピンホールと呼ばれる“小さな気泡”が発生してしまいます。効力が上がるとはいえ、作業はとても慎重でなければなりません。
しかも50mmのバイブレーターを使用し施工するためには、施工図面を細かくチェックすることも欠かせません。なぜなら、鉄筋の間に直径50mmのバイブレーターが入るためのスペースが確保されているか、コンクリートの壁厚が十分か、確認する必要があるからです。施工方法に自信があるからこそできる、施工会社ならではの提案も積極的に行えるように、心がけております。型枠内に生コンを充填して、一般的にはここで押えの作業に進む事になりますが、当社ではここでもうひと手間掛けて行きます。

コンクリート打設へのこだわり(打設計画)

高品質のコンクリートは、打設当日の作業さえ良ければ出来るというものではありません。
当社では、綿密な打設計画のもと、作業所長(現場責任者)が全ての工程が計画通りに進められていることを確認し、作業に携わる全ての関係者への教育など、打設当日までのプロセスが非常に重要なものと捉えています。打設作業は配置される職人、責任者としての監視の目をもつ監督員は、一丸となってひび割れしにくいコンクリートが打てる様に努力しています。

床面にも有効な再度振動締め固め

床面を締め固めるためコンクリート表面の『気泡や分離した水』を、電動ダンパーと呼ばれる工具を使用し、追い出し、表面の密度が大きく強固なひび割れしにくいコンクリートを作ります。
打設の最終工程は、金ゴテ押さえです。土間工の腕の見せ所。体重をコテにのせ、加圧しながらコンクリート表面の凹凸を解消して、コンクリートの打設工程が完了します。

凹凸を解消するだけではない
金ゴテ仕上げとレイタンス除去

当社ではコンクリート表面まで密実なコンクリートに仕上げるために、金ゴテ押えを行っています。コンクリート表面に残った空気と分離した水を押し出すため、また、強度不足の原因にもなるコンクリート表面の凹凸を解消するためです。“乾燥”から発生するひび割れを予防することにも繋がります。更に、打設当日又は翌日に、レイタンスの処理を確実に行っています。当社はあえて手間を掛けることで、徹底した耐久性の高いコンクリート作りを心がけています。

※レイタンス:コンクリートから浮いてくる不純物で、鍋料理の時の“アク”のような物です。どのようなコンクリートからでも出てきます。“アク”は取り除きますよね?しかし、一般的にはレイタンス処理を行わない現場がほとんどなのです。

コンクリート養生へのこだわり

コンクリートの養生では、季節や状況、建物の規模や目的に応じて様々な養生方法を使い分け、耐久性の高い高品質なコンクリートを作り出しています。初期段階でコンクリート表面が乾燥すると表層が健全に硬化(水和反応)せず、余剰水が抜け出ようと水道(みち)を作り、クラックや乾燥収縮のきっかけとなります。そこで、初期段階では水を撒いてコンクリートの湿潤を保つ散水養生を標準化しています。また、屋上や在来浴室などのスラブ凹部では冠水養生を実施するなど施工検討会を通じて建物特性に応じ、初期養生にこだわりを持って取り組んでいます。打放しコンクリートではビニル養生もその一例です。

コンクリートの冠水で
ひび割れを予防

当社では、鉄筋コンクリート造の屋上部分や在来浴室など、建物特性に応じ、実践する「養生作業」です。セメントと水をゆっくり「硬化」させ丈夫なコンクリートに仕上げるために、打ち込んだコンクリートを冠水させて、「硬化」を促進させます。お豆腐を水につけて乾燥を予防することと似ていますね。時間が掛かる作業であってもコンクリート表面のひび割れを予防するための大切な作業です。

型枠に水を撒いて
湿潤を保つ

打ち継ぎ作業の前後に、型枠へ散水しコンクリートの乾燥を防ぐ「養生作業」です。また気温が高い夏場にも行う作業です。暑い夏場はセメントと水の反応が急激に起こるため、反応が十分でないまま「硬化」が終了してしまうからです。「硬化」をゆっくり進ませ、十分な強度が出るよう水を撒き温度を一定に保ちます。

寒い季節の温度管理で乾燥対策

気温が低い冬場にコンクリート内部の水が凍ってしまうと、コンクリート自体が膨張しひび割れを起こしてしまいます。それを防ぐためにヒーターを使用し、間接的にコンクリートを暖めます。それと同時に、温風からの乾燥を予防するための「散水養生」も行います。また建物特性に応じて開口部をシートで覆い、コンクリートに直接冷たい外気が当たってしまわない様に予防もしています。

養生方法を使い分け、
コンクリートを湿潤な状態に

養生は、コンクリート表面にガラス質を構築させ、耐久性の高いコンクリートを作るうえで絶対不可欠な事です。当社は、2種類の方法から建物に適した養生方法を選択し、コンクリートを乾燥からシャットアウトしています。

「ビニールシート養生」保湿パック効果(打ち放しコンクリートなど)

脱型後すぐに露出したコンクリート表面に十分な散水を行い、その水が乾かないうちにビニールシートですき間なくピッタリと保護することで、コンクリート表面から水の蒸発を防ぎ、ひび割れを予防します。

「水ガラス養生」保湿クリーム効果(面積の大きい建物や駐車場、工場の床など※オプション提案

脱型後すぐに露出したコンクリート表面に、保湿養生効果を持つ水ガラスを塗布します。コンクリート表面にケイ酸カルシウム層とエマルジョン被膜が生成され、保湿養生効果を発揮します。保湿養生を行うことによって、表層の強度をさらにアップさせます。

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